こんにちは。
今日はセルロースの話をします。セルロースは植物などから生成される糖類(炭水化物)の一種で、地球でもっと多く存在する炭水化物として知られています。そのセルロースは1900年代に工業化され、現在では日常生活で多くの製品に用いられています。植物から紙を作るようになったのは、古代ナイル文明でパピルスという植物から作られたものが紙の起源と言われていますが、そんな話をしている場合ではありません。今は植物のセルロースを原料に、整腸剤、火薬、衣類、燃料、化粧品、自動車のボディなどが作られる時代です。全く分野の異なるような製品群ですが、すべてセルロースを原料として作ることができる製品です。さらに近年、技術革新によってセルロースの製造コストが非常に安価になり、さらにその需要は拡大してきています。2030年には1兆円市場にも加わるとの試算もされており、各企業で盛んな投資・研究開発が行われているようです。
株式会社ダイセルは、セルロース化学を中心に有機合成技術、高分子技術を駆使して様々な領域の原料・材料を提供している企業です。歴史は古く創業1919年で、同社の写真事業部が分離して設立されたのがあの富士フィルムだというのですから驚きました。写真のフィルム材にもセルロースが使われており、富士フィルムの起源もセルロールからきていたということですね。また、ダイセルによる素材・中間財の生産方式はダイセル方式と呼ばれその生産性の高さが認められており、多くの企業で取り入れられている他、経産省などからも高い信頼を得ているようです。