こんにちは。
昨日の日経新聞に東京ガスが
今期も自社株を買ったという記事がありました。
そもそも、上場企業が株式を発行する理由は、市場から経営するための資金を
得るための行っていますが、
なぜ自ら自社株を購入しているのでしょうか?
本日は自社株買いの目的、メリットについてのお話をします。
まず上場企業が自社株を買ったあと、その用途として2つの選択があります。
1.そのまま自社株を保有すること
2.買った自社株を消却すること
1.そのまま自社株を保有することのメリットが2つあります。
【敵対買収対策】
持ち株比率が高くなるので、敵対買収対策となります。そして大量に株を購入
すると需要が高くなり株価が上昇するので、敵対買収にかかる資金も膨らみ、
買収が失敗しやすくなる効果があります。
【ストックオプション】
二つ目が、ストックオプションのために市場から株を取得する手段になります。
ストックオプションとは、社員に自社株を持たせ、会社の業績が上がると
所有している株価も上昇するので、社員が仕事へのモチベーションを高く維持
するための利用されています。
以上の2点が、自社株を購入してそのまま保有したことによって得られるメリットです。
しかし、今回東京ガスは3oo億円分の自社株を購入して全株を消却するという選択を
行いました。仕組みは以下に説明しますが主な目的は
【株主への還元】です。
株を所有している株主の特権に株主配当があります。
数ある上場企業の中で一株当たりどれだけ会社の利益に貢献しているのかということが、
株主配当に大きく関わってきます。
例えば会社の利益が1,000万円、発行されている株数が1,000株だとすると
1,000万円 ÷ 1,000株 = 1万円
一株当たり1万円の利益に貢献したことになります。
ここで会社ででた利益から自社株を500株購入し、消却すると
1,000株 – 500株 = 500株(市場に残っている株式数)
1,000万円 ÷ 500株 = 2万円
一株当たり2万円の利益に貢献したことになります。
さらに市場に出回っている発行株が減るので、資産価値としても高くなります。
つまり企業が自社株を購入して消却することで、投資家が持っている株の価値が
上がるのです。
そして自社株買いを定期的に行っている企業は、投資家のことを考えている
と捉えられて人気もあります。
特に東京ガスは毎年得られた利益から自社株買いを行っており、多くの個人投資家
を獲得しようと取り組んでいます。
【敵対買収対策】【ストックオプション】【株主への還元】この3つが自社株買いの
メリットでした。
ではなぜ東京ガスが個人投資家を増やしたいと思っているのか?
これはのちほど記事で。