こんにちは。
住友ゴム工業が、ゴムノキに代わる天然ゴム資源として、「ロシアタンポポ」に注目して米ベンチャー企業と共同研究を開始したそうです。
なぜタンポポ!?と思ったのですが、ゴムについて調べてみると納得がいきました。
天然ゴムは、植物の樹液が原料となっています。
「ラテックス」と呼ばれる、白い乳液状の成分を加工・精製すると、弾性のあるゴムになります。
タンポポとかレタスを切ったときに、白い液体を見たことがある人は多いんじゃないでしょうか?あれです。
ラテックスを含む植物は、ケシ科・ゴムノキ・キク科の一部しかないんだそうです。
ちなみに、ケシ科のラテックスは麻薬であるアヘンの原料になるそうです……。
現在多くの天然ゴムの原料となっているパラゴムノキは、東南アジアの熱帯地域を中心に栽培されています。
このため、輸出が東南アジアからのみとなっていること・疾病による生産低下の恐れといった2つの問題点があります。
そこで石油等を原料にした合成ゴムも広く使われるようになりましたが、
性能的に天然ゴムのほうが優れているし、環境負荷といった問題点を抱えています。
このため、ゴムノキに代わる天然ゴム資源の模索は急務だと言われています。
タンポポから天然ゴムを生産する研究は、既に2007年から始まっているそうです。
ブリヂストンが、この頃から研究を初めています。
また、第二次世界大戦のときにアジアからの天然ゴム供給が滞ったことから、
既に欧米諸国で緊急用の天然ゴム資源として、栽培されていたという歴史もあります。
ちなみに、自動車とか工業用のゴムって黒いのが多いイメージですよね。
実は、天然ゴムは炭素粉末を混ぜる量によって硬さが変化するのがそうです。
だから、耐久性が求められる工業用ゴムは黒色をしているんですね。
以前にもこんな記事がありました。 → タイヤはなぜ黒い?
タンポポが天然ゴムの原料として広く使われる日が来たら、
ゴム農家(?)の畑は一面タンポポになるってことですよね。
ステキな光景です。