こんにちは。
最近、仕事の中で携帯電話とパソコンのCPUは違うことを知りました。
具体的に何が違うかというと構造、難しく言うとアーキテクチャです。アーキテクチャの違いが消費電力・処理速度などの違いにつながるのです。
今日は携帯電話向けCPUで95%超のシェアを誇るARMホールディングスを取り上げます。
1990年に設立されたイギリスにある企業で、2016年からソフトバンクグループ株式会社の傘下に入りました。ビジネスモデルは独特で、半導体メーカーでありながら工場を持っていません。半導体そのものを作るのではなく、半導体設計図を他の半導体メーカーに販売し、半導体メーカーはその設計図をベースに商品に合った機能を付け加えるのです。
つまり、ARM社の利益はライセンス(使用許諾)とロイヤリティ(知的財産権)が主要なものです。まず、ARM社から半導体製造会社へ、その設計図の利用を許可する段階で、契約料としてライセンスを徴収します。さらに、半導体が工場で生産・出荷されるたびに、ロイヤリティがARM社へもたらされます。ARM社の設計図は様々な用途に応用されるため、その知的財産権は25年以上有効であると言われます。その間、ARM社は継続的にロイヤリティ収入を得られるのです。
同じく半導体メーカーであるインテル株式会社が設計・開発・生産の全工程を自社だけで完結できる強みを持つ一方で、ARM社は設計に特化することで極めて高度な技術力を強みにしています。その技術力は競合のインテル株式会社が力を借りるほどで、省電力・高セキュリティを兼ね備えています。
家電製品やスマートデバイスのように、これまで情報端末として利用されなかった機器に半導体が組み込まれる流れができています。この世界的な潮流となっているIoT時代に、ARM社はどこまでシェアを伸ばすのか。注目です。