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ふと、紙幣が新しくなるという話題を思い出しました。かなり前に話題になっていたような気がしますが、流通は2024年の予定なんですね。

新しい1万円札には、近代日本資本主義の父とも呼ばれる渋沢栄一の肖像が描かれます。渋沢栄一は明治から大正に活躍し、約500の企業の設立・運営や約600もの社会事業に関わったとされています。その中には、日本で初めての銀行である「第一国立銀行(現みずほ銀行)」や現在の東京証券取引所の前身である「東京株式取引所」も含まれています。明治から令和までつながる経済制度の基礎を築いており、まさしく日本資本主義の父です。

今回紹介する、オーベクス株式会社も渋沢栄一が創業した企業の一つです。この企業、筆記具のペン先の製造で有名な企業ですが、実は1892年の創業当初は全く異なる事業を行っていました。

創業当初の社名は「日本製帽会社」、文明開化の象徴として当時広まりつつあった帽子を製造していました。昭和天皇に帽子を献上したこともあったそうです。
しかし時代は流れ、戦後には帽子を被る人が少なくなります。そこで同社は1958年、帽子に使っていたフェルトを利用したフェルトペン先の製造を始めます。それ以来、事業の中心をペン先へと切り替え、世界でも有名なペン先メーカーとなるに至りました。
ペン先メーカーとして地位を築いた後も、同社の変化は続きます。ペン先の製造で培われてきた、インクを保持し流量を制御する技術を応用して、医療機器やコスメの分野にも参入しています。

1985年に社名変更してつけられたオーベクスという名前は、「曙・黎明」を意味するフランス語の「AUBE」と、「可能性・未来」の意味合いを持つ「X」とを掛け合わせてつけられたんだそうです。一つの事業にこだわらず、拡がる未来を信じて今新しいことに挑戦し続ける。これまでの会社の歴史にピッタリな社名ですね。

皆さんは炭素繊維をご存じでしょうか。カーボンファイバーとも呼ばれている軽くて強い次世代素材のことです。

炭素繊維はその特性から航空機や車、産業機械、スポーツ用品など様々な分野で使われているとても優れた素材となっています。

そんな炭素繊維の市場は、日本企業が世界シェア5割を占めています。近年は中国メーカーの進出が目覚ましいのですが、日本企業も負けずにシェアを保っています。

今回は日本メーカーの中でも特にシェアの大きい東レ株式会社を紹介いたします。

東レは前述したように炭素繊維の開発・販売で世界首位を誇る、三井グループ中核の一社です。

1926年に三井物産の出資により東洋レーヨンとして創業をはじめ、長らく繊維業界で活躍してきた歴史を持ちます。現在の社名の”レ”はもとは”レーヨン”だったのですね。

東レは創業当初から化学繊維の生産をしており、現在でもナイロン、ポリエステル、アクリルなどよく見聞きする科学繊維素材の生産を続けています。

近年ではペットボトルのリサイクル繊維の開発も行っているとのことで、サステナブルな社会の実現にも貢献しています。

時代と共に求められる繊維を、化学で実現してきていることが感じられますね。今後は炭素繊維の市場も拡大していくことが予想されているため、まだまだ活躍を続けていける企業なのではないでしょうか。

Cの魅力

| 小ネタ! |

原子番号6、炭素。生物の身体の中心的な構成物質だったり、二酸化炭素に含まれていたりと、目に映る景色に絶対存在しているありふれた元素です。ただ、英語にして「カーボン」と表現すると、ちょっと凄そうな印象になります。カーボン素材のスポーツ用品というと、軽くて丈夫なプロ仕様のものが多いですよね。
この炭素、原子同士の結びつき方によって様々な性質を持ちます。黒く柔らかい黒鉛が炭素から構成されているかと思えば、硬く透き通ったダイヤモンドも炭素から成ります。

東洋炭素株式会社は、そんな炭素を扱う企業です。黒鉛に強みを持ち、特に同社が世界に先駆けて開発した等方性黒鉛では、世界トップのシェアを持っています。
黒鉛というと鉛筆の芯のイメージが強いかもしれませんが、先ほどのカーボン素材のイメージに違わない特徴を持っています。軽いのはもちろんですが、熱や温度変化にも強く、鉄では耐えられないほどの高温下での用途にも向いています。他にも薬品への耐性が高い、摩耗や摩擦が少ない、熱・電気伝導性が高いなどの特徴を持っています。

こんな黒鉛の性質に加え、東洋炭素の等方性高密度黒鉛は、微粒子かつ切り出し方向による特性差の無い構造をしており、より高い強度と安定性を誇っています。
こんな風に安定した等方性黒鉛は、精密さが肝になる半導体分野や信頼性を要求される原子力分野でも使われているそうですよ。

要素還元してしまえば炭素でも、その奥深さは計り知れません。そんな分野での世界トップシェアは、ごまかしのない技術力の証明ではないでしょうか。

私はバイクを保有しており、たまにツーリングに行きます。風を切って走るあの感覚はとても爽快です。

さて、皆さんは日本には4大バイクメーカーが存在していることをご存じでしょうか。ホンダヤマハスズキカワサキです。二輪好きにはおなじみの4社ですね。

この4社は世界でもトップレベルの成績を誇っており、特に東南アジアなどの二輪社会では日本メーカーが市場を独占していたりもします。

二輪業界を牽引する素晴らしい日本メーカー達ですが、なんとこの4社は水の上でも覇権を握っています。ホンダ、ヤマハ、スズキは船外機で高いシェアを誇っており、カワサキはジェットスキーの専売特許を保有しています。

今回は特に船外機の売り上げが大きいヤマハ発動機株式会社を紹介いたします。

ヤマハ発動機は戦後にヤマハから分離する形で誕生したバイクメーカーです。現在は船外機などのマリン製品も売り上げを伸ばしており、売上比率も20%を超えてきています。

特にアフリカの船外機市場はヤマハの独占状態となっています。二輪者製造で培った内燃機関の技術はアフリカの漁業の発展に大きく貢献しているようです。

しかしヤマハ発動機のアフリカでの事業規模はアメリカなどと比較するとまだまだ小さく、今後は長期的にアフリカの事業を大きくしていく予定のようです。

また、スノーモービルの主要メーカーも国内ではヤマハ発動機一社の状態となっているそうです。陸上、水上、雪上など様々な輸送機器を手掛けるメーカーなのですね。

他にもバギーや除雪機なども製造しており、製品のラインナップを確認してみるとなかなか面白いです。皆さんの周りにもバイク以外の身近なヤマハ製品があるかもしれませんね。

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