原子番号6、炭素。生物の身体の中心的な構成物質だったり、二酸化炭素に含まれていたりと、目に映る景色に絶対存在しているありふれた元素です。ただ、英語にして「カーボン」と表現すると、ちょっと凄そうな印象になります。カーボン素材のスポーツ用品というと、軽くて丈夫なプロ仕様のものが多いですよね。
この炭素、原子同士の結びつき方によって様々な性質を持ちます。黒く柔らかい黒鉛が炭素から構成されているかと思えば、硬く透き通ったダイヤモンドも炭素から成ります。
東洋炭素株式会社は、そんな炭素を扱う企業です。黒鉛に強みを持ち、特に同社が世界に先駆けて開発した等方性黒鉛では、世界トップのシェアを持っています。
黒鉛というと鉛筆の芯のイメージが強いかもしれませんが、先ほどのカーボン素材のイメージに違わない特徴を持っています。軽いのはもちろんですが、熱や温度変化にも強く、鉄では耐えられないほどの高温下での用途にも向いています。他にも薬品への耐性が高い、摩耗や摩擦が少ない、熱・電気伝導性が高いなどの特徴を持っています。
こんな黒鉛の性質に加え、東洋炭素の等方性高密度黒鉛は、微粒子かつ切り出し方向による特性差の無い構造をしており、より高い強度と安定性を誇っています。
こんな風に安定した等方性黒鉛は、精密さが肝になる半導体分野や信頼性を要求される原子力分野でも使われているそうですよ。
要素還元してしまえば炭素でも、その奥深さは計り知れません。そんな分野での世界トップシェアは、ごまかしのない技術力の証明ではないでしょうか。