2024年に新紙幣が登場し、1万円札の渋沢栄一や5千円札の津田梅子など、新たな肖像とともに、最新の偽造防止技術が導入されました。世界初となる「3Dホログラム」では、紙幣を傾けると肖像が立体的に回転して見え、すかしやマイクロ文字印刷などの細部にも高精度な工夫が施されています。これにより、日本の紙幣はさらに偽造しにくく、識別しやすいものへと進化しました。
今回紹介する日本金銭機械株式会社は、そんな日本のお金を正しく見分けるために、貨幣処理機器や遊技場向け機器の開発・製造・販売を主力とする開発型メーカーです。1955年に設立され、大阪に本社を置き、ゲーミング市場や金融・流通・交通市場、国内遊技場向機器市場で取り扱いがあります。
最大の強みは、紙幣や硬貨の真偽識別(鑑別・識別)に関する技術です。これまで日本での円対応から出発し、現在では世界140を超える国・地域の通貨に対応できる体制を整えています。特にゲーミング市場(カジノなど)では紙幣鑑別機器の先駆者として高いシェアを持ち、米ドルを対象とした紙幣識別機の開発を通じてグローバル展開を加速させてきました。また、ATMや券売機などへ紙幣識別ユニットを提供することで、社会インフラとしての役割も果たしています。
今後は、紙幣・貨幣処理というコア領域に加え、キャッシュレスやデジタル決済との融合、さらには新興国市場での普及拡大を通じて成長を図ることが期待されます。