光には「波長によって物質をすり抜けたり、吸収されたりする」という不思議な性質があります。例えばX線は骨は通さず、肉は通すためレントゲン撮影に使われていますが、これは光のエネルギーの違いによって物質との反応が変わるためです。身近ではあまり意識しませんが、私たちに見える可視光よりもはるかに多様な光で満ちています。そんな特性を応用した技術は、私たちの生活や産業を支える重要な役割を果たしています。

今回紹介するリガク・ホールディングス株式会社は、見えないものを可視化する分析・計測技術を中心に事業を展開する企業です。X線分析装置や材料評価機器、ライフサイエンス領域の測定装置など、研究開発から生産現場まで幅広い分野を支える装置をグローバルに提供しています。

同社の核となるのは、X線回折装置や蛍光X線分析装置といった、物質の構造や元素組成を高精度に解析する技術です。X線回折は、物質内の原子配列を読み取る手法で、材料開発や品質管理には欠かせません。さらに近年は、高性能な計測装置だけでなく、データ解析ソリューションやラボの自動化支援など、研究現場全体の効率化を支える取り組みも強化しています。

今後も精密計測の領域で存在感を高めながら、研究環境そのものを支える企業として成長していくでしょう。見えない世界を丁寧に解き明かす技術は、これからの産業と科学をそっと支える力になり続けるはずです。

アーカイブ

Kmonos(クモノス)ブログについて

2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031