煙に巻かないお話

| 小ネタ! |

現代を生きる私たちにとって一瞬にして遠くにいる人に情報を伝達する技術というのはもはや当たり前の存在となっております。インターネットや電話、テレビなど様々なメディアによって色々な場所の現状を私たちは知ることができます。そして歴史のなかでこうした技術は登場しては消えを繰り返してきたのも事実です。

例えば、歴史の中で使われてきた原始的な情報伝達手段の一つとして、狼煙というものがあります。狼煙は物を燃焼させることで煙をあげ、遠く離れた人に何かしらのメッセージを送る方法です。天候に左右されてしまうというデメリットはあったものの、人や馬が移動して直接伝えるよりも早く、また手信号よりも離れた場所に情報を伝えることができたため、主に軍事的な側面で洋の東西を問わず重宝されてきました。

そんな狼煙も近代にはいると電気の発明によってその座を取って代わられたわけなのですが、まだまだ狼煙のように煙を使った情報伝達手段が残されていることをご存じですか?そうです、発煙筒です。発煙筒は山や海で遭難してしまった際に自身の存在を周囲に知らせるために用いられています。上記の場合だと必ずしも電気や電波が存在するとも限らないので、煙を使った原始的な情報伝達が未だに現役なわけですね。

というわけで、今回はそんな発煙筒や緊急用の信号弾などを製造・販売している細谷火工株式会社を紹介したいと思います。こちらの会社は、先述のような火薬を使った製品、すなわち火工品を取り扱う明治39年創業の老舗化学メーカーです。民間向けのものから、防衛省や自衛隊に向けた軍事利用目的のものまでさまざまな火工品を製造しており、スモークゴルフボールという球筋に沿って煙が出るユニークなゴルフボールの販売も行っています。ルーツが打ち上げ花火の製造ということもあり、火薬の取り扱いには高い技術とノウハウがあるそうです。

冒頭で様々な技術が登場しては消えを繰り返すと述べましたが、それは歴史の表舞台から退いただけで、技術や手法そのものが消えてなくなってしまうわけではありません。どのような技術にも今主流のものに負けない使いどころというものがあり、そうした部分を生かして今もなお使われ続けているのです。

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