最近、昆虫食について目にすることが増えました。
以前はゲテモノ料理の文脈でばかり出てきていた昆虫食ですが、最近では食糧難や地球温暖化など、SDGsっぽい文脈でよく見られます。昆虫肉は他の家畜肉と比べると、生産の際に必要な資源や出荷までの期間が少なくて済むんだそうです。私はまだ昆虫食に手を出す勇気が持てていないのですが、エビやカニが大好きなことを考えると、案外すんなり受け入れられそうな気がしています。
日本には、そんな昆虫食の分野に進出した「自動車部品メーカー」が存在しています。株式会社ファインシンターです。
ファインシンターが得意とする技術の一つに「粉末冶金」というものがあります。粉末冶金とは、金属の粉末を金型に入れて圧し固め製品を作る技術のこと。型から出した時点で製品の形になっているので切削等のコストを削減でき、また用途に応じて複数種類の粉末を配合することも可能です。
ファインシンターでは、そんな粉末冶金の技術を応用してコオロギを粉末化し、コオロギスナックやインスタントのコオロギラーメンなどのコオロギ製品を開発しています。昆虫食というとその見た目で避けている人が多いと思いますが、粉末にしてしまうと抵抗なく食べられそうですね。
世界全体が向かっていく大きな流れは、皆何となくは分かっているものの、自分が関係する分野ではないと傍観してしまいがちです。一見全く異なる分野に思えても、自らの得意分野を活かすという視点でとらえてみると、まだまだやれることが見えてきそうです。