自動車部品と聞くと金属製パーツやプラスチック製のパーツを想像してしまいますが、実はゴム製のパーツも多く利用されています。
タイヤはもちろん、防振素材やホースなどの形で多くのゴム製品が組み込まれており、ゴム製品は自動車の製造に必要不可欠な素材となっています。
そこで今回は自動車用のゴムホースを製造・販売する会社である株式会社ニチリンを紹介いたします。
ニチリンは二輪車用のブレーキホースで国内で100%近いシェアを誇る自動車用ホース製造会社です。海外への進出も活発であり、東南アジアやアメリカを中心とする10か所の地域に子会社を持っています。
近年ではスペイン、ベトナムなどの事業を拡大しており、世界規模で地域分散する姿勢をとることができています。地政学的な問題や国家的な問題の影響を受けにくくなる良い姿勢なのではないでしょうか。
しかし自動車部品メーカーは、自動車業界全体の動向の影響を受けやすい立場にあります。特にEV化などで部品に大きな入れ替えが生じており、部品メーカーは大きな再編を求められている局面となっています。
その中でもホースに関しては特別EV化しても需要は減らないとの見方が強く、ニチリンは今後も安定的な需要を維持することができる珍しい立場にあります。
地域分散に成功し、業界からの需要も安定しているという強固な事業基盤を持つ会社であることがわかりますね。
中期経営計画からは、自動車用ホースの製造以外の事業の創造に力を入れていることもわかります。製品のバリエーションなどでも勝負ができるようになればより安定的な経営が実現できそうです。
今後どのような事業が生まれてくるのか、経営にどう影響するのか注目していきたいです。