経営哲学

| 小ネタ! |

合理的であること、効果的であること、能力が高いことがもてはやされる世の中ですが、きっとそれだけで思い通りになるほど人生は甘くないんだろうなという感覚があります。何かを成し遂げようとするとき、どんなに仕組みづくりや先見の明で上手く物事をコントロールしようとしても、一筋縄ではいかない困難に直面することは避けられません。そんなときに前進していけるかどうかを決めるのは、哲学のようなものなのではないかと思います。少し時代遅れの泥臭い考え方でしょうか。それでも人間が考える生き物である以上、世界や人生に対する考え方の影響を排除することは難しいのではないでしょうか。

特に、企業経営は思い通りにならないことばかりです。市場は日々変わりゆき、昨日までうまく行っていた方法が突然機能しなくなります。考え方の異なるたくさんの人間が関わる以上、自分の意見がそのまま成果に反映されることなどほとんどありません。そんな中で社会に価値を提供し、また従業員の生活を保証する必要があるのですから、経営者にのしかかるプレッシャーは相当なものです。そんな風に思いもよらないことばかりの企業経営では、その場しのぎの技術や賢さよりももっと根本的な哲学が重要なように思います。

哲学のある経営者として有名なのは京セラ株式会社を創業した稲森和夫氏でしょう。稲森氏の根本は「人間としての正しい生き方、あるべき姿を示す」という考え方です。それに基づく経営システムを作り上げ、また人として会社として正しい姿を説き社内に浸透させることで、京セラを強く大きくしました。

稲森氏が考案したアメーバ経営では、部門ごとに独立採算にすることで社員皆が高い視座と仕事への誇りを持てるようにすることを目指しています。経営者が労働者を管理するという考え方が一般的だった当時からすると珍しい考え方で、世間の常識に流されない根幹となる哲学があったからこそ生まれたものと言えるのではないでしょうか。

凝り固まりすぎるのも考えものですが、少しずつ自分の中に哲学を築いていけたらと思います。

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