皆さんはペンキなどの塗料の役割をご存じでしょうか。実は見た目を鮮やかに彩ることだけが塗料の役割じゃないんです。それ以外にも塗料は、外壁や家具を長持ちさせたり、耐熱性や撥水性を強化したり、防カビや抗菌効果を付与したりと、様々な目的のために活用されています。
日本特殊塗料株式会社は1929年の設立以来90年以上にわたって、このように様々な役割を持つ塗料を作り続けています。同社の最初の製品は航空機用塗料。当時まだ研究中だった金属製の航空機を見据えて開発したそうです。強い紫外線や急激な温度変化、強い雨風や空気抵抗といった特殊な環境下で活動する機体を守る塗料の開発から始まり、その技術を基盤に、様々な塗料を開発してきました。
なんとその中には、塗装することで防音効果を発揮する塗料もあります。そんな防音塗料の開発以来、同社は防音材メーカーとしても活躍しています。そこで扱われるのは塗料だけではありません。特に車の防音対策に関わる部品は数多くの自動車メーカーで採用されており、自動車部品事業は塗料事業とともに同社の二本柱となっています。
特定の領域で強みを持って事業を行っていたら、強みが派生してさらなる事業へとつながっていく。企業が成長していく上で一つ大切な考え方かもしれませんね。