こんにちは。

今日は、政府がiPS細胞の備蓄に対する予算を削減する方針という記事を見ました。iPS細胞は、2012年に山中教授がノーベル賞を受賞して以降、現在も研究が盛んに行われ、治療への応用も始まっています。しかし、細胞そのものの安定生産が難しいため、京都大学を中心に生産・備蓄体制を強化し、安定供給のための基盤づくりが行われてきました。政府は、2013年から10年間でiPS細胞研究に1100億円の予算を投じる支援策を予定していましたが、この予算のうち、iPS細胞の備蓄に関わる予算部を打ち切る方針のようです。現在までに18億円の予算を山中教授は、健康・医療対策は国策として重要という認識から、専門家を交えた議論を訴えています。

そもそも細胞を生産するためには、「培養液」と呼ばれる材料が必要です。培養液には細胞が成長・増殖するために必要な栄養素がいい感じに入っていて、細胞はこの特殊な液体の中でしか育つことができません。特にiPS細胞用の培養液は高価な栄養素が多く含まれるため、培養液自体が高価になってしまい、生産に多額の費用が発生します。そんな培地を低コストに生産できないかと多くの企業が自社技術を応用し、培地ビジネスに参入しています。

本日は、そんな大事な培地を生産している「ブルボン」のご紹介です。ブルボンと聞くと、お菓子のメーカーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。はい、同じ企業です。同社は2018年の統計で業界5位の大手菓子メーカーですが、2017年に信州大学との共同研究でiPS細胞の培養液を開発しています。培養液の中身は企業秘密で公開されていないのですが、通常の培養液に必ず含まれているグルコース(いわゆる砂糖)が含まれていない&ブルボンはお菓子メーカー、というめちゃくちゃな根拠から、特殊な糖質を含有することで細胞に影響を与えているのではないかと勝手に推測しています。

この培養液、価格は100mLで1万円と、あの高級ウイスキー山崎18年と同じ値段がします。僕の学生時代の研究室では、500mLで500円、500mLで6000円の2種類の培養液をよく使っていました。前者は黒烏龍茶、後者はワインとネタにしていましたが、、山崎の値段にはびっくりです。

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