こんにちは。

今日は窒化ガリウムの話をします。食べ物ではありません。窒化ガリウムは近年、シリコンに変わる半導体材料として需要が拡大している新素材です。もともとは青色発行ダイオード(LED)に使用されることで有名になったもので、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。そんな窒化ガリウム、シリコンよりも電力変換効率や電力密度が優れており、またコストも低い、という理由から、様々なデバイスへの利用が進んでいます。最近だと、Anker社が窒化ガリウムの特性を活かして、コンパクトかつハイパワーを謳った急速充電器を発売していました。半導体分野における窒化ガリウムのシリコンに勝る性能は、次世代の通信規格5Gの整備においても大きな需要が期待されており、5Gが標準インフラとなれば更に多くのシステムに需要が見込めるため、現在窒化ガリウムを将来的なビジョンに盛り込んでいる企業も多いようです。

今回はその窒化ガリウムビジネスに研究開発費を投じて、従来のビジネスから大きくかじを切った住友電気工業株式会社をご紹介いたします。同社は、ワイヤハーネス:自動車内で電気や信号を送る専用の電線が売上高の4割を占め、世界シェアは25%と首位の自動車関連事業を展開する企業です。シェアトップにも関わらず、自動車メーカーからの値下げ要請や同業他社との値下げ競争により営業利益は減少を続けている一方で、今月同社は5G関連需要を見据え、情報通信事業の営業利益見通しを大幅に上方修正しています。

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