この十数年、日本がICTの利活用において他国に後れを取っているという話をよく耳にするようになりました。その中でも教育現場におけるICT利活用は度々問題となっています。OECDによる2018年の調査結果によると、日本は教育分野でのICT活用状況を表す指標において、OECD加盟国79か国中、軒並み最下位でした。
そんな状況もあってか、文部科学省は2019年12月にGIGAスクール構想という教育現場ICT化のための改革案を発表し、この数年で一気に教育現場のICT化が進められました。
代表的な取り組みとして、生徒一人につき一台のコンピュータ端末を支給するというものが有名ですが、当然それだけでどうにかなるような単純な問題ではありません。高速大容量のネットワーク整備やデジタル教材の準備が必要ですし、ICT基盤をうまく運用するための人材も必要になってきます。
このように教育現場におけるICT導入には乗り越えるべき多くのハードルが存在しており、現場全体に対して総合的にアプローチをする必要があります。そんな中、株式会社内田洋行は、GIGAスクール構想の推進の中で重要な役割を果たしています。
同社は教育ICTだけでなく公共分野やオフィス構築も事業の柱としているのですが、いずれも商品を販売することそのものが目的ではなく、「場づくり」を重視しています。コーポレートビジョンは「情報の価値化と知の共創をデザインする」で、人々の知識がうまく連携するような環境づくりが事業の中心です。
教育分野も例にもれず、幅広い商品・ソリューションを駆使して現場環境づくりを総合的にサポートしています。さらに同社は内田洋行教育総合研究所というR&D機関を保有しており、これまで教育現場に関わる中で培ってきた経験・知見をさらに進めた未来の教育現場を描いています。
新型コロナウイルス感染症の流行とそれに伴うリモート授業の普及によって、GIGAスクール構想は前倒しされ、教育現場のICT利用の状況は大きく改善されました。しかし、それでもこれまでの遅れを取り戻すのは簡単ではありません。これまでの延長としてのICT利活用ではなく、現場全体をデザインし直す力を持った内田洋行のような企業がこれからさらに重要になってくるのかもしれません。