長時間労働の横行や非効率な業務、労働人口の減少など、様々な要因から働き方改革が叫ばれて久しいですが、皆さんのワークスタイルはこの数年でどのように変化したでしょうか。特にCOVID-19の世界的流行以降、テレワークの普及が進み、ワークスタイルが大きく変化したという方も多いのではないかと思います。
この働き方改革、短絡的に捉えると「残業禁止」「テレワーク推進」「休暇取得推進」といった話になりがちですが、どうやらそんなに簡単な話ではなさそうです。定時後に会社近くのカフェがサービス残業者でごった返したり、仕事とプライベートの境界がなくなって長時間労働をしてしまったり、他人の眼を気にして結局休暇を取れなかったり、、、むしろ制度が増えて働く人たちが窮屈になっていることも多そうです。
サイボウズ株式会社は2017年、こんな窮屈な働き方改革に対して「働き方改革に関するお詫び」という広告を打ち出しました。当時ブームとなっていた働き方改革を、国や経営者, 管理者の都合でとらえているものと暗に批判しており、話題になったことを覚えています。働き方改革に関するアニメも作成していますので、もし興味があったらご覧ください。
同社は、組織のコミュニケーションを円滑にし業務効率化を推進するグループウェアの提供を中心とした企業ですが、人々の協働を取り扱う中で、まず自分たちの働き方について試行錯誤を重ねてきました。機械的に労働時間を設定したり残業を禁止したりせず、「100人いたら100通りの働き方」があってよいという考え方のもと、社員が自分の働き方を選べるような制度や文化づくりに取り組んでいます。最近ではこのような試行錯誤の結果を組織づくりのメソッドとして提供する事業も行っています。
働くペースを落とすという選択も認め、その都度周囲とのバランスを見ながら調整していく。案外この位の態度の方が全体としてはうまく回るのかもしれません。