最近注目されている“バイオベースプラスチック”をご存じでしょうか?石油を原料とせず、植物など再生可能な資源からつくられるため、製造段階でのCO₂排出削減や廃棄後の環境負荷低減に貢献できる素材です。食品容器や衣料、日用品など、実は私たちの身近なところで少しずつ使われ始めています。こうした新しい素材の広がりは、持続可能な社会に向けた大きな一歩だと思います。
今回紹介するユニチカ株式会社は、1889年に尼崎紡績として創業し、日本の繊維産業を支えてきた老舗企業です。現在はポリマー、パフォーマンス材料、繊維・テキスタイルの3本柱を展開する総合素材メーカーとなっています。
この会社はナイロンやポリエステルのフィルム・プラスチック製品に加え、バイオマス由来のTerramacといった環境配慮型材料を積極的に開発しています。また、吸湿発散や冷感、難燃性、植物由来の100%ナイロンなどを備える独自素材を展開し、特にスポーツウェアや制服、生活雑貨にも応用できる高付加価値材料を自社で開発・供給しています。
時代とともに変化するニーズに柔軟に応えながら、伝統ある素材づくりを進化させるユニチカの姿は、素材で未来をつくる姿だと思います。 どんな素材にも、手に取る前には目に見えないストーリーや思想が詰まっていることを、改めて感じますね。