植物の生育に欠かせない三大栄養素は「窒素・リン酸・カリウム」と中学の理科で習った覚えがあります。このうちリン酸は、根の発達や花・実のつきを良くする重要な役割を持っています。実は、リン酸肥料が日本で普及したのは明治時代後半なのだそうです。
この黎明期から日本の農業の発展を支えてきた企業の一つが、今回紹介する多木化学株式会社です。1885年に、日本で初めて人造肥料として骨粉の製造を開始しました。その後過リン酸石灰の本格的な工業化に成功し、安定した品質のリン酸肥料の供給が可能になり、農業の生産性向上に大きく貢献しました。それから100年以上にわたり、リン酸を中心とした肥料の製造・販売を通じて、日本の農業を見えないところから支え続けています。
現在では、肥料事業に加えて、工業用リン酸や水処理薬品、合成樹脂原料、機能性素材など幅広い分野にも展開しており、特に工業用リン酸の分野では、食品添加物や医薬品原料としても使われる高純度な製品を手がけ、国内でも高い注目度を得ています。
農業を起点に、今や「食」や「暮らし」、「環境」といった多様な分野に根を張り、社会を広く支えています。これからも持続可能な未来を支える企業としての歩みを進めてほしいです。