みなさんはコークスという言葉をご存じでしょうか。コークスとは石炭を蒸し焼きにして炭素部分だけを残した燃料のことで、さまざまな産業の基盤となる製鉄や非鉄金属の精錬に欠かせないものになります。自分自身最近になって初めて聞いた言葉でした。掘り出したばかりの石炭を燃料として用いると含有する硫黄分が鉄の品質低下を招くため、高炉の燃料にはコークスが用いられるようです。

このコークスの精製を専業としたメーカーは日本に2社しかなく、その1社が「日本コークス工業株式会社」です。
コークスは製鉄に必要不可欠な素材ですので鉄鋼メーカーはもちろん、自動車などの部品製造にも使用されています。また、コークス精製で抽出される副産物には水素やアンモニアがありますが、それらの活用を目指したカーボンニュートラルへの取り組みも行われています。

日本コークス工業では以上のコークス事業の他に、化工機事業と燃料・資源リサイクル事業を展開しています。
化工機事業では粉体技術を駆使して素材を生み出す機械の設計開発を行っており、チョコレートなどの食品やスマートフォン、電気自動車のバッテリー、医薬品など様々な業界のものづくりに使用されています。粒子設計の最高峰と称されている「FMミキサ」の販売台数は、業界最多の12,000台以上に登るようです。

明治時代から石炭採掘事業を通して日本の近代化に貢献し技術を発展させてきた今、製鉄だけでなく生活に必要不可欠な様々なモノづくりを支える企業となりました。石炭というものが身近なものとは感じなくなった今日ですが、その石炭にまつわる技術が磨かれ活躍していることは我々も知っておくべきことなのではないでしょうか。

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