こんにちは。

今日は日米欧露中印韓の7カ国が協同で実施している国際熱核融合実験炉(ITER)の建設がフランス南部で進んでいる、という記事を読みました。「核融合反応」は太陽が燃える際に起きている反応と同じもので、この反応を利用して実用的なエネルギー生産が可能か実証するためのITER、2025年の稼働を目標に現在建設が進んでいます。原子力発電と何がちがうのか。原理的なところでいうと、原子力発電はウランなどの核分裂反応の際に生じるエネルギーを利用した発電方法なのに対し、ITERは水素原子の核融合反応を利用した発電、、と、反応の方法が異なるのはもちろんなんですが、最終的には「エネルギー生産効率」と「核燃料廃棄物をほとんど出さない安全性」の2点が特徴になると思います。特に後者については、原子力発電において問題視されている「放射性廃棄物」の処理に数万年以上かかるのに対して、核融合の燃料に使用するトリチウムは半減期が12年とかなり短いため、原子力発電に変わる発電方法として期待が高まっています。

核融合発電において高エネルギー状態の原子を閉じ込めて反応させるために必要な中核部品に、トロイダル磁場コイル(ポケモンではない)というものがあります。ITERでは18基を組み合わせて建造する予定で、うち5基の製造を「三菱重工業株式会社」が受注しています。原子力発電所の原子炉関連での技術力を活かし、開発スピードで競っていた欧州の企業を押さえ、先月末に世界で初めてこの中核部品の第1号の製造を完了させました。結果として技術力のアピールに繋がり、ITERに関わる他部品の受注が期待されています。

同社の原子力事業は、地震や世界的な原発離れの影響で事業の持続性が危ぶまれていたそうですが、今回の発表が大きな実績となり、企業的な成長につながっていくのではないでしょうか。

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