こんにちは。
サントリーが、国際宇宙ステーション「きぼう」の日本実験棟で「微小重力環境を利用したお酒のまろやかさの形成」に関する研究を開始するというニュースがありました。
8月16日に種子島宇宙センターから打ち上げ予定の「こうのとり5号機」に、サントリー製造のお酒類が搭載されるそうです。
具体的には、40%アルコールやウイスキーなどの約6種類が予定されています。
そして「きぼう」の日本実験棟で、JAXA協力のもと実験が行われます。
実験は、1年間行うグループと、2年以上(未定)行うグループに分けて行うそうです。
さて、この実験が行われる経緯について説明します。
もともと、ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒は、長期熟成すると「まろやかさ」が増すことが知られていました。
このメカニズムについて、あらゆる研究が行われてきましたが、まだ全容が解明できていないのだそうです。
サントリーはこのメカニズムを解明すべく、いくつかの大学や研究機関と共同研究を進めています。
この研究で、サントリーはお酒のまろやかさが増すメカニズムについて、
「アルコールの分子に水分子が結合し、アルコールの刺激が和らぐため」
という仮説を立てています。
また、このアルコール分子と水分子の結合反応は、液体が動かないほうが進みやすいということが判明しています。
液体は、重力下においておくと対流が起こって動いてしまいます。
(対流;温度や表面張力で不均一性が生じ、重力によって流動が起きる現象。液体だけでなく大気でも発生している)
このため、(ほぼ)無重力空間である宇宙が、実験環境に選ばれたというわけです。
あくまでも、お酒をまろやかにするメカニズムを解明するためであって、
宇宙で熟成したお酒を販売するとか、そういうことは無いそうです。
ただ、このメカニズムを解明することで、
人工的に長期熟成した味を作り出せるようになるのかもしれませんね!
蒸留酒がお好きな方は、続報に期待していましょう。