昨今はあらゆる作業のデジタル化により、紙を利用する機会は少なくなっているかと思います。とはいえ速記性が求められる作業の場合は、個人的には紙とペンの方が楽にメモを取ることが出来る印象です(例えば電話対応をした際のメモ書きなどでしょうか)。実際には私たちのように文字を書いたりするだけの紙の消費が減っているのであって、工業的な用途ではまだまだ紙の需要はあるのでしょう。
今回紹介する阿波製紙株式会社は工業向けの膜やフィルターなどを製造しており、非植物性の炭素繊維やアラミド繊維などを利用したシートの開発を得意としています。壁の断熱材や、FRP材の素材の一つとして利用される他に、エンジンフィルターなどそのままの形でも利用されています。特に膜ろ過フィルターに関しては製品だけでなく水環境全体に対する事業部を設置しており、製造開発だけでなくより大きな視点で利用環境をサポートしているのです。
昨今の製紙会社・工場は製紙事業以外にもさまざまなことをやっているイメージがありますが、阿波製紙株式会社のもつ製紙技術の応用の幅には驚かされました。紙のように繊維状の物質をを利用した薄くて軽い素材は、より大きな製品や機械の構成パーツとして重要な役割を果たすということなのでしょう。素材や機械のサイズを小さくする方向の研究は様々な大学・企業で盛んなイメージがあるため、製紙技術を無機素材に応用できる阿波製紙株式会社は今後も重宝されることと思います。