「色眼鏡をかける」という言葉があります。
先入観や偏見を持って物事を捉える様子を表す、割とネガティブな意味の言葉です。
ただ、個人的には色眼鏡もそんなに悪くないと思っています。色眼鏡であっても眼鏡は眼鏡、視野が狭くても、他人とは違う景色が見えていたとしても、眼前に広がる世界に焦点を生み出し、世界の解像度を上げてくれるのではないでしょうか。

さて、自分語りはここまでにしましょう。今回ご紹介する企業は、カメラで有名な株式会社ニコンです。ニコンは1917年に日本光学工業として設立されました。その名前からも分かる通り、実はカメラはその事業の一部にすぎず、様々な光学機器を100年以上に渡って提供し続けてきている企業です。

光学機器と聞いて思い当たるのは双眼鏡や顕微鏡、望遠鏡あたりでしょうか。それ以外にも距離や寸法の測定器、半導体に回路を焼き付ける露光装置や光加工機等があり、ニコンの活躍の場は多岐に渡ります。
今回はその中でも観ることにフォーカスして、ニコンがやっている先進的な取り組みを見ていきましょう。

例えばバイオサイエンス分野。ニコンは日本、アメリカ、オランダにバイオイメージングの研究施設を構えており、細胞や生体の”動き”を観察できるライブイメージング技術に磨きをかけています。
産業ロボットの分野では、高速で動く小さな物体も認識できる”眼”を持ったロボットアームの開発が行われているそうです。
他にも、宇宙分野ではハワイにある国立天文台の「すばる望遠鏡」の開発にも携わりました。

被写体に色を付けて見やすくしたり、画像処理をしたり、高精度なレンズを作ったりと、やっていることの目的も方法も様々です。しかし、いずれも私達の肉眼では見えないものを見せてくれます。
画像処理後の世界は、ありのままの世界ではないかもしれません。それでもニコンの光学製品は私たちに、それなしでは見られない世界を見せてくれます。そう考えると、レンズを通して見る世界も悪くないと思えてきませんか?

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