こんにちは。
本日は、都内でよく見かける飲食店についてご紹介。
株式会社幸楽苑です。
幸楽苑は福島県に本部をおくラーメン及び蕎麦、うどんのチェーン店です。
六本木、赤坂などの繁華街からちょっと離れた東北地方でもこの「幸楽苑」の看板を目にします。
この幸楽苑は290円の中華そばをはじめ、安くて早くて美味しい、さらに休日の深夜の時間帯にも営業しているなどきめ細かいお客目線の飲食店であるなと実感します。
この幸楽苑で有名な話しが、この中華そばにおけるマーケティングのお話です。
幸楽苑のこの中華そばはもともと390円で人気を博しており、業績も急成長していました。そして2003年にラーメン店として初めての東京一部上場を果たします。そんな中2006年から格安ラーメン店の競合店に対抗するためにこの中華そばを290円に値下げしました。思惑通りさらに来店客数は増えて売り上げも伸びたものの、実は来客数の6割がこの原価率の高い中華そばを注文するという事態になり、お客は増えたものの業績が悪化。この業績悪化の責任をとって当時の社長は辞任をし、現社長である創業家の新井田会長が社長になりました。
まず新井田社長が取り組んだことがメニュー自体の変更とメニューの”見せ方”の変更です。
メニューの変更では、従来あった割引率が高いセットメニューを廃止して、割引率が低くなるメニューに変更。そして、メニューの見せ方に関しては、お客は必ずメニュー表の上から目を通すので上にある商品が注文される確立が高いという特性に目をつけ、中華そば以外のオススメの商品を上に配置することに変更。
この結果中華そばの注文率は2割まで下がり、顧客単価が上昇。業績も回復しました。
こういったメニューや見せ方の変更をすることで業績が回復する事例は、幸楽苑だけではなくマクドナルドにもあるそうです。
1954年、6坪の店舗と3人の従業員の食堂から始まった幸楽苑は、現在は北は青森、南は兵庫まで総店舗数が470店(2013年7月現在)を超える規模にまで成長していますが、このような苦境を乗り越えてきたんですね。
今後も海外出店や1000店舗の拡大を目指すなど勢いのある企業です。