金属部品を切削したあと、切断面に小さなギザギザが残ることがあります。これを「バリ」と呼びますが、目に見えないほど微細なバリであっても、部品を組み合わせる際に寸法がずれたり、接触不良や摩耗の原因になったりします。工具や刃物の設計・加工では、このバリをいかに抑えるかが、見えない誤差を制御する技術力の証なのです。

今回紹介する株式会社不二越は、こうした工具の先端精度を起点に、その技術を機械装置、ロボット、素材や部品へと横断的に展開してきた総合ものづくり企業です。当初は切削工具や機械工具の分野に注力していましたが、次第に事業を拡張し、現在では工具、工作機械、ロボット、軸受、油圧機器、特殊鋼など幅広い製品を手がけています。

特に工具製品では、被削材に合わせて最小バリ化を追求した「Burrless」シリーズを展開しており、穴開けやエンドミル加工で発生しやすいバリを最小化するような刃形設計やコーティング技術を導入しています。こうした工具性能の向上が、高精度な部品の加工や長寿命化につながっているわけです。

ものづくりがますます高度化・複雑化する中で、「先端精度」や「誤差制御」という観点は、より高い価値を持つようになります。バリを出さずに滑らかな切削を可能にする技術、それを装置とロボットで支える統合力、不二越はこれらを強みに、製造現場の変革期におけるキープレーヤーを目指している存在と言えるでしょう。

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