小中学生の頃、社会科の授業で紙の地図の読み方を教わりましたが、そういえば授業以外で紙の地図とにらめっこした記憶がありません。車に乗ればカーナビが曲がるところを教えてくれますし、スマホを開けば無料で分かりやすい地図を見ることができます。自分が今どの方向を向いているのかが分かるMAPアプリの機能には幾度となく助けられてきました。
こんな風に地図を取り巻く環境が変わる中、日本の大手地図メーカーである株式会社ゼンリンも事業の形を変えてきました。紙の地図の制作販売から、電子地図情報を利用したサービスの提供への変化です。
しかし、その中でも変わらないゼンリンの強みがあります。それは情報の細やかさです。人が実際に現地を歩き回り、建物の名前、建物同士の境界、どこに入り口があるかに至るまで細かく記録するんだそうです。
ここまで細かい情報は、他社では難しいサービスを可能にします。例えば、どこに入り口があるか分かれば文字通り「ドア to ドア」の配車が可能になりますし、2021年1月に正式リリースされた「ラクラク販促マップ」は地図上でどこにどんな世帯・店舗がどれだけいるかということを可視化し、チラシ配布エリアの検討を効果的にしてくれます。
2021年11月には長野県伊那市で、ドローンによる物流サービスも開始しました。先進的な取り組みですが、これもゼンリンによる細かい情報が無ければ、障害物や人流を避けたルート選択ができません。
泥臭く築き上げた確固たる強みが存在するからこそ、時代に合わせて様々な領域に進出していけるのかもしれませんね。